さまざまな分野で活躍する、その道の達人を紹介
仕事人第1回
仕事人 File No.1
梶原 稔生 Toshitaka Kajiwara
RKB毎日放送 社会情報部 プロデューサー
1983年大学卒業後、RKB毎日放送へ入社。
「サツ回り」と言われる警察関係者への早朝・深夜の取材やカメラマン助手を皮切りにディレクター、プロデューサーとテレビ制作に23年間関わってきた45歳の仕事人。
看板番組である「今日感テレビ」「探検九州」の制作指揮をとる。
仕事人第一回目に登場いただいくのは、テレビプロデューサーの梶原稔生(かじわら としたか)さんです。6月10日福岡大学で行なわれた仕事人講座には、多くの学生が参加し梶原さんの仕事に対する思い・番組制作の苦労・嬉しかった話などに真剣に耳を傾けていました。梶原さんが制作に関わった番組の上映を交えた仕事人講座をリポートします。
迷ったらヤル 新しい事に挑戦する
テレビ制作の仕事がどんなものかをお話しましょう。流れとしては、
1.企画⇒2.リサーチ・仕込み⇒3.取材⇒4.編集⇒5.プレビュー⇒6.オンエアー
といった具合になります。企画の段階で「誰に見せたいのか?」を明確にし、リサーチで取材対象者に合って話を聞きます。優秀なディレクターは、「聞き上手」です。30代のディレクターが多い中で「取材を受ける人は、経験豊富な方である事がほとんど。しっかり話を聞いてこい。相手は、人間の気持ちをみている。こちらが一生懸命やらせて下さいという姿勢を持つこと大事だ。」といつも言っています。取材の時にはそれまでに筋書きした事以外の思いもよらぬ事が起こります。「思い込みを捨てて、見方を変えたり、粘り強く頑張ったりする。」と予期しなかったような良い取材が出来る事も多いのです。編集の際には、オンエアー分の10倍程のテープの中から良い部分をつむぎ合わせていきますが、泊まりになる事もしばしばで、ソファーがあるスタジオに人気があります。(笑)そしてプレビューでの議論を経てオンエアーとなります。ここまでにかかる時間が大体3週間ほどです。
4月10月の番組改編を前に新番組の企画を行ないますが、新しい企画などで、議論が長引いたりする時は、「迷ったらヤル」ようにしています。同じ事をやり続けるとどうしてもテンションが下がってしまうので新しい事に挑戦するようにしています。新しいことが必ずしも成功するとは限りませんが、「新しいことをやり続けているうちは負けではない。」といった思いで取組んでいます。
「ありがとう」「感謝」が自分を感動させる
ビデオを見ていただき、「どういう時に仕事をしていて楽しいのか?」についてお話しましょう。
ビデオ「無人島に里帰り 熟年夫婦の物語」
42年前に台風で無人島となった沖縄県前島。その島で育った二人が住み移った沖縄本島で結婚。子育てを終え、仕事も引退した60代後半、自分達が育ち愛した島で自力で家を建て生活を始める。そんな二人をタレントの高田課長が尋ねる。井戸を掘る手伝いや、今は木々が生い茂った子供の頃の思い出の場所である山の頂までの道を切り開くことを通して、心が通い合う。高田課長が山頂で二人の休息用のベンチをプレゼントする時、感動の涙がそれぞれの頬を濡らす。
いかがでしたか?この番組の中に「どういう時に仕事をしていて楽しいのか?」というヒントがあります。4日間の取材中、取材班は、持ち込んだ3台のチェンソーで115mの山頂までの道づくりにほとんどの時間を費やしました。ディレクターは、取材班のために食事の準備を行なったし、タレントの高田課長もご夫婦2人と共に生活し、ベンチも自分で全てつくりました。そして最後にご夫婦二人が泣きながら、「ありがとう」といってくれた。このような「ありがとう」とか「感謝」が自分達を感動させるのだと思います。「どういう時に仕事をしていて楽しいのか?」「何のために仕事をするのか?」と言うとこのように「自分が感動したいからだ」と言えます。
壁は乗り越えられる ハートが大切
仕事は壁があってもほとんど乗り越えられると思います。また、迷った時はやってみる。やる前にウダウダ言わない。仕事は苦しい事が多いけど、必ず楽しさがやってきます。山登りみたいなもので、頑張って登っていくと見えてくる景色がありますから、みなさんも是非頑張って下さい。私は、テレビ制作において、ハートが大切だと思っています。技術はつくりたいという思い(ハート)があれば、必ずついてきます。大切なのはハートです。


