さまざまな分野で活躍する、その道の達人を紹介
仕事人第2回
仕事人 File No.2
森田 俊一郎 Shunichirou Morita
「ギャラリー モリタ」オーナー
1954年生まれ。東京出身。
学習院大学経済学部卒業後、商社へ入社。
1989年、福岡で画廊のオーナーとなる。
仕事人第2回目に登場いただいくのは、画廊のオーナーをなさっている森田俊一郎(もりた しゅんいちろう)さんです。6月17日福岡大学で行なわれた仕事人講座には、多くの学生が参加し森田さんの仕事に対する思いに真剣に耳を傾けていました。森田さん自慢の画廊やアートの上映を交えた仕事人講座です。
まず思うのは、「アートの力」です。日本人は美術にお金をかけるということを、贅沢だとか特別なことのように思っている人がまだまだ多いんです。皆さんもそうじゃないですか?でも、他の国では立派な産業になってますよね?ルーブル美術館ぐらいは知ってるでしょう?あそこには、世界中から毎日わんさか人が集まってくるんですよね。観光客の中には「せっかくだから」程度の人もたくさんいるんでしょうが、「あの絵が観たい!」と思って来てる人もいるんですね。ウチの画廊にだって、大阪からわざわざ深夜バスに乗って、たった1枚の絵を観るためだけに来てくれた女の子がいたものです。みんながそうなればいいなぁ、なんて言うわけではなくて、少なくともその女の子をつき動かす力がその絵にはあったということですよね。
アートには、人や社会を動かす力があるということを知って欲しいですね。それは、時には戦争なんかよりもずっとずっと力があると思うんです。戦争やそれを起こした権力は終わるけど、アートは残っているでしょう?だから、と言うと短絡的かも知れないけど、もっとアートに触れて欲しいんです。皆さんがもっと気軽にアートに触れられる場所を!と思っているんです。画廊というとなんだか敷居が高いという気持ちになるのは分かりますが、知らない空間に入るっていうのはそういうものですよね。でも、ウチの画廊にはそんなこと思わずに、構えずに来て欲しいと思います。
芸術と向き合うことは、感受性を養うことだと思います。そうやって身につけた、「イイものを見抜く力」っていうのは、経済にも通じると思うんです。(森田さんは学習院大学経済学部を卒業されています)私だって好きなアートに囲まれた生活は楽しいですが、お客様にアートを買う動機づけをしていかなければなりません。お客様の持っている感激を膨らませたり、逆に価値観を引っくり返したり、そういうことができたなぁ、と思うときは単純に大きな喜びを感じますよね。
私はギャラリーは絵を売るだけの場所ではないと思っています。画家とか、芸術家とか、そういう素地を持っているとか勉強したことがあるとか、そういう人たちだけじゃなく、一般の人たちが「美しいもの」に目を向ける場所でありたいと思います。ともすれば、新しくあればいいという風潮の中、古き良きものに触れてみるのもいいものですし、有名だからいいんだろうではなく、自分が好きだと思った絵をいいと思って楽しんで観る。そうやって自分で高くしていた敷居を低くしていけばいいんですよ(笑)
全く畑違いの世界からアートの世界に入った森田さん。彼の穏やかな話し口調で、終始和やかに講義は進みました。会社を辞めて好きなことを仕事にできている森田さんを見ていると、最初に入った会社で人生が決まるわけではないと思えました。
模索している中で、やりたいことが見つかる可能性は誰にもあるんだ、と学生の皆さんも感じられたことだと思います。講義終了後に、画廊の場所を森田さんに尋ねる学生の皆さんを多く見かけましたが、それもなるほど、森田さんとその画廊にぜひ足を運んでみたくなる素敵な講義でした。場所や画像を「お薦めの店」に紹介してますので、TOPページからどうぞ!


