第4話 『己を知り、相手を知る営業塾 その(2)-相手を知る』
「敵を知り己を知れば、百戦危うからず」。
「孫子の兵法」のこの一節。この考え方が、ビジネスシーンにも通じることについて前回からお話しています。前回の「己を知る」編に引き続き、今回は「相手を知る」編をお楽しみください。
■「相手を知る」編
(1)お客様を知る
サー
ビスや商品を買っていただくお客様のことがわからなければ、売れる確率は限りなく低くなります。お客様が求めているものは何か?これを知る必要がありま
す。その為には、お客様からお話を伺い、求めているものを明確化していくことです。多くの場合、お客様自身も自分が求めているものを漠然とはわかっていて
も、明確に「これが欲しい」と理解していないことがあります。この求めるものを明確化していく段階で、"出来る営業マン"はコミュニケーション能力を駆使
してお客様が潜在的に求めているものを浮き彫していきます。
相手の話を聞き、効果的な質問を投げかけることによりお客様の欲しいものが明
確になったら、自社の商品やサービスの中から最も適したものを提案すれば、商談成功率はグーンと、アップするという訳です。お客様を知るためには、高度な
コミュニケーション能力が必要ですが、私は、コーチングのスキルが営業に大変役立つものだと考えます。なぜなら、お客様との良好な人間関係を築く傾聴法
や、お客様が困っていらっしゃること(現状)や求めていること(ゴール)を明確にする質問の力をコーチングを通して学ぶことが出来るからです。
しっ
かりとしたコーチングスキルが身につけば、"御用きき的な営業"ではなく、質の高いコンサルティング営業(問題解決型営業)へとレベルを上げていくことが
可能となります。お客様の事を知るには、お客様に話を伺うことが最も早く、確実な方法。しっかりとお客様の声に耳を傾けてみましょう。
(2)競合他社を知る
皆
さんは、競合他社が「どんな商品やサービス」を「誰」に対して「どんな方法」で売っているのかご存じでしょうか? HIS時代、他の旅行会社が出している
パンフレットを読み、価格帯を調べ、どのような宣伝媒体を使っているのか調査し、実際に店舗へ足を運んでは、お客様への接客法や店舗内の掲示物・パンフ
レットの陳列法、営業時間などかなり詳細に情報を頭の中に入れていました。面白いことに競合他社を調べると自社の強み・弱みがはっきりとしてきます。他社
と自分の会社を比較して、優位的差別性がある商品やサービスが何かが明確になると、お客様に対してその商品を自信をもっておおすすめ出来ます。また、劣っ
ている点については、追いつけ追い越せで商品やサービスの開発につなげていくことができるので、これも他社を知ることの大きなメリットと言えます。
(3)お客様の属している市場を知る
ひ
とりのお客様を知ることによって、そのお客様が属している市場を知るきっかけになります。「このお客様は、この商品を買っていただいて、大変喜んで下さっ
た。では、このお客様と同じようなお客様はどこにいらっしゃるのだろうか?」と考えていくと、更にチャンスを広げることが出来る市場を知ることができま
す。同様の購買傾向があるお客様がどこにいらっしゃるのかを他社より早く知りアプローチすれば、大きなチャンスが生まれることは間違いありません。
■まとめ
2回にわたってお届けした「己を知り、相手を知る営業術」はいかがだったでしょうか。
「己を知ること」と「相手を知ること」によって、営業チャンスが大きく変わることを理解いただければ嬉しいです。
あなたは今、以下の3パターンのどこに自分が位置しているかわかりますか?
●パターンA:「己も相手も知らない」
絶望的に営業成績が上がらない。一生懸命頑張っているが営業成績が上がらない人は、このパターンが多いと言えます。
●パターンB:「己を知っているが相手を知らない」
営業成績が上がったり上がらなかったりする。一人よがりになりがちのパターンです。
お客様のこと、競合他社のことなど勉強していくと営業確度が高まっていきます。
●パターンC:「己も相手も知っている」
営業成果が上がる確率かなり高いと言えます。しかし、己を知ることも相手を知ることもどこまで行っても終わりがなく奥が深いことを理解し、日々勉強を怠らない姿勢が大切です。
まずは、自分自身の現状を確認し、より大きな成果をもたらす営業法へシフトさせていってください。皆さんの頑張りを期待しています。
只松 崇 プロフィール
只松 崇 (ただまつ たかし)
ビッグ・フィールド・マネージメント株式会社 取締役プロデューサー
財団法人 生涯学習開発財団 認定プロフェッショナルコーチ


