大野尚の沸騰コラム

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「未来に繋ぐ農業改革」  

「未来に繋ぐ農業改革」  2018年8月号

 

農地バンク」と言う言葉を皆様はご存知ですか?

 

先日の新聞(西日本新聞7月24日朝刊)に掲載されていた記事から
引用すると、廃業や引退する農家などの農地を借り受け、担い手にまとめて
貸し出す「農地中間管理機構」の制度の事を言います。

国策として農業用地の集積を図り農業活性化への道を切り開くものです。

 

・・・しかし、制度は作ったが運用が進まない。
よくある話です。

 

そこで、国は本年度から、更なる優遇施策を打ち出します。
通常、区画整理を行うと事業費の一部は農業者が負担しなければならないが、
国負担となることで金銭負担はなくなります。

 

また、貸し手にも固定資産税の軽減や協力金交付といった“アメ”も用意しています。

 

“アメ”を増やせば上手くいくのか? 

 

日本の農業の問題として農業人口の減少です。

 

1965年の1150万人から2015年には200万人へと5分の一になっています。

その影響で食料自給率も7割から4割となっています。

 

このことは、国としても国民の生活としても海外輸入の依存率が高くなればなるほど世界的な
規模での飢饉・干ばつ・戦争や経済恐慌・後進国の台頭(食料事情の変化)などの国際情勢に
よって大きなリスクとなりえます。

 

農業人口の減少理由として

・農業従事者の高齢化
・後継者不足
・3K(きつい、汚い、カッコ悪い)というイメージ
・収益面の不安
・休めない
・農機具購入の借金
・天候に左右されてしまう

等です。

 

また新規に農業を始めるとしても、

・土地がない
・知識、経験がない
・農機具、農業資材などの必要装備にお金がかかる

事です。

 

そこで「農地バンク」が活かされる「しくみ」と運用を大きな視点で
考えていく必要があります。

 

農業と言う「3K」のイメージの払拭が必要です。

そこで労働環境の改善が求められます。

 

農地バンクは農地の集積です。

 

一つ一つの農地は狭くても集積させ、区画整理を行い大規模にすることで農道も
拡幅されることで計画的な耕作面積の区画割りや、今まで利用できなかった大型の
農機具の投入により生産効率を上げる事が出来ます。

 

その利点を生かし、新たなる農業法人として、家族経営から法人経営として働く
時間や休みなどの労働環境を整える。また、その土地の気候や土壌に適した農法を
取り入れ、ITやAI,ロボットの導入でより高レベルな生産体制を構築して、
更には廃棄野菜をなくすためにも2次加工・3次加工のオリジナル商品の生産を行う。

 

農業法人として重要な事は食べていける事です。

 

その為には、収益が上がるビジネスに変える方法として、適正に売れるモノを生産性を
高めて作る事が必要です。

但し、国民に必要で儲からないけど生産しなければならないものは、税制面の削減等で
ある程度は控除して世の中に供給しなければなりません。

または、他のモノで利益を出して補う必要があります。

 

1.販売チャネルの選定と確保

2.市場リサーチ(マーケティング)

3.安心・安全を担保した作物

4.天候に左右されない耕作・収穫のしくみ

5.廃棄物をなくし全てを商品化するしくみ

 

しかし、難問があります。

 

ただでさえ人手不足の状況で、農業法人を作っても担い手になる労働者がいなければ
前に進みません。まずは、消費者である僕たちが農業に対するイメージを変える事が
必要です。

僕たちは農業という産業があるからこそ生きていく事が出来きます。

 

ライフラインの水・ガス・電気は欠かせませんが農業がなければ、僕たちは原始時代の
様に自ら狩猟・採取に出かけなければなりません。

「人」が生きていく為の大事なエネルギー産業と言っても過言ではありません。

 

そのことを理解すること、また、未来を託す子供たちの為にも「安心・安全」が担保
された食料を供給されているかに注意しなければなりません。

 

農業の素晴らしさ・カッコよさ・やりがいのある仕事だと言う事を伝えていく事と、
全面的にサポートすることが必要です。

 

暗黙知を「経験によるナレッジ・ノウハウ」を形式知に変えて誰でも理解できる
マニュアルに変え指導する体制やIT・AI導入による最先端による仕組みと地域ごとに
特性をもった農作物の生産。

 

安心・安全・美味しいと言うジャパンブランドに創り上げて世界に販売していく仕組みも必要です。

 

また、世の中には働きたくても働けない人たちがいます。働きたくなる職場作りや
生活して楽しめる収入を作り上げる事を僕たちも応援していく事が必要です。

 

農業の素晴らしさを知る為にも、是非、読んで欲しい本があります。

それは、原田マハの「生きる僕ら」です。