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2019.06.11

「イノベーション」

「イノベーション」    2019年6月号

 

 昨年から事業構想大学院大学で講義を受け持っている。

本年からは客員教授から特任教授となり、2年生へのゼミも受け持つことになりました。

 

 

講義の最終形は事業構想プランの策定ですが、僕は「絵にかいた餅」ではなく

実現できるプラン策定を院生に求めています。

 

実現可能とは、そのプラン自身がお金を生み、継続して行く事。

当然、収益を生み出さなければ継続は出来ず。

 

同時にお客様の信頼・信用を勝ち得る物でなければ一過性に終わってしまいます。

 

 

「売れる」前提として、世の中に溢れているものであれば

競合よりも製品や商品であれば価格・品質・機能・デザイン等で優位に立ち、

サービスであれば、その期待値を上回る事が必須であり

更に、売る為のチャネルや仕組みでも優位に立たなければ、

大手や古参企業に負けてしまいます。

 

 

その事業構想での、最大限の強みとなるのは「イノベーション=革新」的なモノです。

その革新的な発想を教えるのが、一年生への「イノベーションの発想」と言う講義です。

 

 

その「イノベーションの発想」での授業の中で、

株式会社ブルースカイの貞末慎吾社長をゲスト講師としてお迎えしました。

 

 

貞末社長は、鎌倉シャツのご子息であり、大学を卒業後、幾つかの企業で勤務された後、

父上の要望で入社され役員となりましたが、ニューヨーク出店準備中に、次はシンガポール

だと動き回ってる最中に呼び出され、同族で占める役員会の席上でクビを告げられました。

 

 

・・・「面白い」。

 

 

その貞末社長は、クビになったあと、大変ユニークな発想のもと様々な事業を起こされています。

 

 

若い女性が入りやすいセンスの良い質屋を創ろうと、

ブランドバッグの買い付け販売する事業「Acebuddy」

を大ヒットさせましたが、全くファイナンスのリテラシーがなく

最終的に事業売却。

 

子供向けの写真スタジオ「Acesyudio」は、

売上の7割稼ぐ七五三シーズンの為、敢えて神社傍に開店。

 

1年間限定の動くスナック「Apollo」や

泊まれる居酒屋「STAND BY ME」

 

更にタイには、唐揚げホステルと異名とる「Trica」

この夏は爆発的に話題になるだろうと予感させる

「♯ジハングン」と言う名の、福岡の糸島のビーチにある3000坪の巨大駐車場。

 

・・・いやぁ、この「♯ジハングン」の発想が面白い。

 

 

まず、ビーチ沿いの3000坪の土地があるから、何かしてくれと頼まれる。

貞末社長の祖父が生まれ故郷の鎌倉で「海の家」をやっていたので、

それじゃ「海の家」をやろうと借りる。

 

ところが、上下水道が通ってないので、あえなく撤回し、周辺の人に何をやったら

よいかと訊いていくと、「駐車場」が良いと言われて、3000坪の駐車場にする。

 

その時、ふと、頭に浮かぶ・・・

『世の中、沢山の駐車場があるけど・・・クリエイティブな駐車場がないな!』

 

「そうだ!オブジェだ!!」

「アートだ!」

 

地元や芸大等の学生等に依頼をしてオブジェを作成してもらい設置。

 

知らないうちにそこはインスタ映えを目的にやってくる人々のメッカとなる。

 

 

更に、名前の由来となった、5台の自販機を置こうと協力を仰ぐが、

そんなところは儲からないと、2台しか設置できずに、わざわざ用意した

自販機用の木枠の三台は空のまま、それが、更にインスタ映えすると話題になっていく。・・・

 

 

もちろん、糸島のビーチの美しい海と自然環境が大きな味方になってくれたのは

言うまでもないが、貞末社長の「ラテラル=直感」力と面白そうだからやってみよう

という直ぐに始める行動力の賜物である。

 

いまそこは、駐車する事が目的ではなく、

インスタ映えする写真を撮る為に訪れた人々の為の駐車場に変わった。

 

 

「イノベーションの発想」

 

世の中にはありとあらゆるものが溢れている。

0から1を生み出す発想は難しい。

 

目の前にあるものを、ロジカル的=理的な発想や、

クリティカル=逆説的な発想だけでイメージするのではなく、

直感と言うラテラルな発想で動いてみると、

様々な化学変化を起こしていく。

 

 

頭の中で、これは無理だなぁ!大変だなぁ!と思って打ち消していくと、

全ての可能性は消えてしまう。

 

・・・「面白い!」やってみよう!!と動いてみると、何かしらの答えは出てくる。

 

院生含めて、何かを感じ取ってくれたのではないかと確信しています。

 

どんな発想も動かなければ答えはありません。

 

動きたくなる「面白い」を率先する株式会社ブルースカイ貞末社長有難うございます。

 

 

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