大野尚の沸騰コラム

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「ライドシェアの矛盾」

「ライドシェアの矛盾」    2019年7月号

 

 

世界を席巻するシェアリングエコノミーの世界。

その先駆けとも言われるライドシェア=配車アプリを体験してきました。

 

カリフォルニアのソノマ・ナパバレーのワインビジネスを探求する為に、

11名の経営者と3泊5日の行程で廻って来ました。

 

企画の段階で現地ランドの手配に関して大いに悩みました。

兎に角、高い!!

コストが膨らむのです。

 

送迎、ホテル、ワイナリー訪問・視察、ガイド(通訳)の手配、異常に高い。

その中で、一番コストが割高なのは、車の送迎です。

11名全員を一度に移動させる車の手配が高いのです。

 

因みに日本の旅行会社に依頼すると、

サンフランシスコ空港~ソノマまで1時間半の距離

片道で15万円前後です。

 

そこで、現地直で色々調べてWEBで見積をかけましたが、

それでも12万円前後・・・

 

そこで、タクシー3台で分乗しようと・・・

 

調べると、片道350ドル(38,500円)前後

三台だと、現地、直手配と変わらない。

 

そこで、個人で旅に出ると、いつも利用するライドシェアを使おう!

 

但し、正直不安でした。

 11名の方々への責任があります。

 

事故にあったらどうしよう!

 

イマイチ、安心面の担保の部分での不安がありました。

 

皆に話して了解を取ったうえで、4名の代表者を決めて

ライドシェアのアプリ、今回は『Uber』のアプリをスマホに

インストールしていきました。

  

事前に見積もりを取ると、

同区間を6人乗りの大型バンで

150ドル(16,500円)前後です。

 

荷物も全員分積載出来て2台で済みそうです。

 

総経費はチップを入れて350ドル前後で済みました。

約3分の一で手配出来たのです。

 

 

 進化するアプリ

ただでさえ自分の居場所を正確に相手に伝え迎えに来てもらうのは、

余程分かりやすい場所でない限り難しいものです。

 

また、ネイティブではない言語の場合、更に難しくなります。

 

Uberアプリの使い勝手の良さは格別でした。

 

言葉はいらない!

 

アプリがインストール済みであれば、

現在地・行先・人数に応じた車種、又はグレードに応じた車種、

評価点の高いドライバーの選択も自由に出来ます。

 

それらを入力すれば、地図アプリとGPSによって最速・最短のルートを

自動選択して金額が表示されます。

 

その表示された金額で良ければ配車決定をクリックすれば良いのです。

 

Uberの運転手の報酬は、距離と時間によって手数料を引かれた金額と

なりますが、ドライバーが故意に遠回りをしても、事前に表示された

金額以上(チップは別)加金されることはありません。

 

降車後、ドライバーの評価を行い、良いと思えば、

表示される10%・15%・20%の

チップをクリックすれば良いのです。

 

今回は何度もUberを利用しました。

 

アメリカの様に広大で車社会が当り前な社会に於いては、

その利便性に驚愕しました。

 

全く現地の言葉がつかえなくても、全て日本語で配車出来るのです。

 

その車が到着するまでの時間、また、近づいてくれば、スマホ上の

地図アプリに右、左とどこから、どの位で来るかも分かる様になっています。

 

 

タクシーなんかが一台も通らない場所でも、手配可能です。

 

自らの車なので、皆、綺麗に掃除が行き届いています。

 

ドライバーの多くは、高評価を得る為に、ペットボトルの水を

サービスでくれる人もいます。

 

不思議なのは、テスラの最上級車(1700万円相当)の車を

持つ人や、ベンツやBMW等の上級グレードに乗る、如何にも

セレブなご婦人たちがUberの運転手として働いている事です。

 

サンフランシスコ、ナパバレーと言う、物価が高く、賃金も高い

地域だということもあるのかもしれません。

 

また、アメリカと言う世界の懐の大きさかも知れません。

 

サンフランシスコ空港にはライドシェアの為の乗り場がありました。

 

日本に於いては、タクシー事業認可、また、運転手は2種免許保持者で

なければお金をとって人を乗せる事は出来ません。

 

それをやれば、白タク行為となり法を犯すことになります。

 

 

社会に対する矛盾」

 

 前提として、Uberの運転手は個人事業主である。

 

 

1. 顧客に対する安全面・安心面の担保がない

 ① 事故時の対応はどうなるのか?

確かにUberのドライバーは、Uberが指定する任意保険の加入は

義務付けられているが、重大な事故の場合はスムーズに対応出来るのか?

 

②  運転技術の保証。

今回利用したドライバーの中には、スピード狂の人もいたし、

杖を突いた高齢者に見える人もいた。

 

 

2. ドライバーに対する保証は?

自由な働き方が出来る事を引き換えに労働者としての

最低限の保証も今のところはない。

 

 

3. 既存業者(タクシーやハイヤー会社)との競争激化

資本を投下し、多くの労働者を抱える会社との競争激化は、

そこで働く労働者の雇用が維持できなくなる恐れがある。

 

 

4. 個人情報漏洩の心配

利用者も運転手もクレジットカードも含めて個人情報を登録している。

その情報管理は間違いないのか?

 

 

5. 犯罪の危険性は?

車内は個室である、インドやアメリカのボストンなどでライドシェアの

運転手による乗客の女性に対する犯罪も起きている。

 

今年はラグビーのワールドカップ、来年は東京オリンピック、

更に2025年には大阪での万博と世界中から多くの人々が

来日される大型イベントが控えている。

 

 

言葉が通じない国での移動手段として、ライドシェア(配車アプリ)の

利便性は必要とされるのではないか?

 

せめてタクシー業界も使い勝手の良い、アプリを用意して欲しいと

心から願いつつ、日本に於いても矛盾を解消して、

新たな「イノベーション」を期待したい。