大野尚の沸騰コラム

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会社の為と言う錦の御旗は通用しない!!

 

「会社の為と言う錦の御旗は通用しない!!」 2021年5月号

 

3社の社外役員を務めている。

 

1社は取締役として、2社は監査役として

いずれも独立役員と言う立場だが

取締役・監査役の立ち位置は大きく違う。

 

中小企業は取締役・監査役の最大任期は10年である。

短ければ登記費用も掛かるし手続きも面倒である。

 

公開企業の場合は取締役の最大任期が2年である。

一般的に上場企業の取締役の任期は1年が多い。

 

なぜか?

 

あの人に辞めて貰いたいと思った時に解任すれば

損害賠償を請求される可能性もあり、市場にも

あまり良いイメージではない。

 

監査役の最大任期は4年である。

 

監査役の立場は、

取締役、会計参与の職務の執行の監査と企業経営の

健全性や適性性の担保として存在している。

 

簡単に言うと不正や不祥事が起きない様に監査や調査を行い

ステークホルダーの利害に配慮しなければならない。

 

その為には、己の役目として忖度しない・牽制しない。

 

必要な事を臆せず怯まずの姿勢で発言しているし、

業務担当者へのヒアリングをおこない、

コミュニケーションを深めている。

 

「会社の為」と言う論理での錦の御旗が前面に立てば

違法行為であっても、許されるのか?

 

そのミッションを出す人が立場の高い、

声が大きい、態度がデカい。

 

その様な人の前だと多くの人が怯み、独善的な判断での

行動によって実行されたとすれば、例え一時的な危機の

回避の為、たとえ一時的な売上増の為であっても、

「許されるものではない!」

 

その判断は、将来への崩壊というリスクに突き進むことに

なる事を理解しなければならない。

 

だから、私はそれを止める。

牽制に怖れず忖度せず己の役目を貫く事を信条としている。

 

厳しい財務状況であっても、融資を受けるための粉飾は

許されず、公にディスクローズしなければならないIRの

言葉を変えたり隠したりは出来ない。

 

売上を作るために収賄や裏献金も許されない。

 

だから止める!

 

「会社の為」とはいったい何だろう?

 

・・・上場企業や大企業であれば、会社法とJ-SOX法に

よって厳しい定めがある。

 

また、上場を目指すのであれば、同様に内部統制(業務の適正確保)を

ベースにした定款等の規定の順守、特にコンプライアンスの順守を

強く求められている。

 

だからと言って、中小企業は何をやってもいいのか?

 

と言うわけではない。

 

同様に会社法と労働法に則って経営を行う事が定めらえている。

 

経営者が自分勝手な行いで経営すれば、社員の定着率は悪くなり、

お客様も離れてしまう。

 

特に、「やる気の搾取」と言うサービス残業やサービス休日出勤は許されない。

その全ては経営者である自分に返ってくるのだ。

 

ただ、中小企業の場合、役員は身内が多く、社外役員、社外監査役を置く

会社が少なく、トップにブレーキを掛ける役目が効きにくいのが実情ではないだろうか?

 

・・・当たり前の事を当たり前に出来なければ公開企業にならなければ良い。

どんな企業も法律を遵守する事は当然です。

節税は許されるが脱税は許されない。

 

会社として社員が満足、お客様が満足して経営的に安定して

収益を上げる事が出来るのであればそれが良い。

 

世の中は、大きな変化の前に小さな変化の波が起きている。

その小さな波に注意を怠ると、大きなウネリとなって

取り返しのつかない痛手となるだろう。

 

働く者の権利を優先しなければ企業の成長が損なわれる事態を起こしている。

 

働く者も自立できる力を自ら備えなければならない。

 

企業に依存すれば自らの未来はない。

 

約束された人生の保証はもはやあり得ない。

 

社員の成長の結集が企業の成長へと繋がる事を経営者は忘れてはいけないのです。