旅こそわが人生
世界90カ国以上を巡った大野尚の旅日記!
人生の楽しみは気持ちよく仕事をして気持ちよく遊ぶ。すべてが上手くいくわけではないが バランスを取って明るく元気にをモットーに謳歌したい。プラスこれまで90数カ国を旅してきました。 まだまだ知らないところがいっぱいだ。さぁ、次はどこ行こう。
Viva BOLIVIA 紀行 ~高地アンデスとアマゾンを行く~
【2005.Feb】 【公開中!】
- vol.1「旅友せぎっち~世界最高所の洗礼~首都ラパス 」
- vol.2「先住民ケチュア族~いざアンデスへ~贅沢なコンサート 」
- vol.3「夢のアマゾンへ~ピラニアを釣る~自然の偉大さ 」
「旅友せぎっち~世界最高所の洗礼~首都ラパス」 Viva BOLIVIA 紀行 vol.1
vol.1 「旅友せぎっち~世界最高所の洗礼~首都ラパス」
【ボリビア共和国】
南米大陸のほぼ中央に位置する、全く海に面しない内陸国である。国土は日本の約3倍、人口は僅か830万人。都市部を除けば極めて人と会う確立が少ない所である。国土の大部分はアンデス山脈とアマゾン熱帯域が占める。民族の55%を先住民のインディヘナが占め、先住民とスペイン人の混血のメスティソが32%、残りはヨーロッパ系となる。公用語は主にスペイン語。通貨はボリビアーノ。
10年来の友人*せぎっち(左)と成田から約26時間かけロス⇒マイアミ経由で南米は海から見離された国、ボリビアはラパス(エル・アルト国際空港)に現地時間で10日の早朝5時に到着した。
「ふぅ、疲れた!」
*せぎっち(愛称)東京都出身
瀬木貴将(ミュージシャン/サンポーニャ&ケーナの第一人者)
近年の活動状況
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2003 NHK TVで1年間に渡って放送されるスペシャル企画<南極プロジェクトの挿入曲に<ドライバレー>を提供。CD、大地のラグーンをリリース。コーセー化粧品(CM)、チョーヤの梅酒(CM)、世界プチくら(テレビ朝日系)など6曲がタイアップされる。題名のない音楽会に出演。2004 CD、『サファリに行こう』大地のラグーンスペシャルエディションをリリース。アルゼンチンでペドロ・アスナールとの共作の『ORACION~祈り』が彼のアルバム「Mudras canciones de a dos」の1曲目に収録される
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「ひぇ~世界最高所!」
世界一の空港: 標高世界最高所にある空港である。エル・アルト(高い所)そのままの名を付けるところがいかにもではないか。世界一の首都:標高3,650mの世界最高所にある、ラパス。人口約100万人。
空港のあるエル・アルトの町から大きなすり鉢状にラパスの街は下がりながらしぼむ。下に行けばいくほど高級住宅地となっている。
中心地(すり鉢の底)は一見近代風に見えなくもない高層ビルが立並ぶ。が断然面白いのは上に行く事だ!すり鉢の縁にしがみ付く様にアドベ(日干し煉瓦)の家が密集し逆に上に行けばいくほど貧しい人々の住まいとなっている。
ラパスに着く1時間前に機内でアスピリン(バッファリン)を服用、普段、全くと言っていいほど薬を飲まない人間である。高山病による頭痛より薬による副作用 を気にしつつ到着。せぎっちに言われた通り、下を向かない、重いものを持たない、走らない。大きく深呼吸と、頭の中で呪文のように繰り返し気をつけ行動す る。しかし、ステイ先の家に着いた途端・・・バタン・キュ!
さっそくの洗礼。酷い二日酔い状態、頭が重い、痛い、眠い、無思考状態。身体がだるい、重い、酷い倦怠感。
「ほんとに、きつい!」 何もシタクナイ!動きたくない!眠い!いやだ!旅に出て1日目と言うのは長時間の飛行機疲れと日本での仕事疲れが重なり肉体的にいつもハードなのだが、それ以上の好奇心が即、行動へと誘ってくれたが、今回だけは、そうはいかない。高山病の恐ろしさ。あぁ!これが高山病!
少し回復。約半日の仮眠でちょっと飲みすぎた状態の二日酔いまで回復、漲る好奇心で早速行動だ!ラパスの街、エル・アルトの町を歩くと多くの先住民であるインディヘナの人々に出会う。大人は誰しも年齢不詳である。4000mの高地ゆえ短命だと聞いた。
エル・アルトの町:すり鉢の上の空港のある町はもともと何もない町、そこにインディヘナの人々がアドベで家を作り今やラパスと同じく人口100万の規模に膨れ上がっている。
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中央市場 | 服を売るインディヘナのおばさん |
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昔懐かしいボンネットバス | 湖で取れた魚を売るインディヘナのおばさん |
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よく見るとワカサギを少し大きくしたような魚だ | 撮影する日本人のおじさん |
~高地アンデスとアマゾンを行く~ Viva BOLIVIA 紀行 vol.2
vol.2 「先住民ケチュア族~いざアンデスへ~贅沢なコンサート」
引き続き、エル・アルトの街
山高帽の人々
先住民のケチュア族、マイマラ族の女性たちは殆ど皆、帽子を被っている。帽子が好きなのか?お洒落なのか?雨対策なのか?よく分からないが頭にちょこっと載せている。ちょこっとなのに風が強く吹いても落ちない。何か仕掛けがあるのだろうか?不思議だ。
特に好まれる帽子はイタリア製の山高帽だそうだ。帽子屋の店内には誇らしげに並んでいる。
しかし、更に不思議なのはイタリアではそんな帽子を売っているのを見たことがないことだ・・
風呂敷
先住民のインディヘナの女性たちは皆、風呂敷を背負っている。東京ボン太の唐草模様ではないが集めの編みこんだ布はとてもカラフルで高地の青い空がバックだとよく映える。
中身は何?
とても重そうだ。皆、背中を曲げて背負っている。商売道具なのか?家財道具なのか?まさか、子供は入っていないだろう。とても見たかったがその機会を作ることは出来なかった。
凄いステイ先
いつもはホテルに宿泊するのだが、今回は旅の友、せぎっちの友人である、マルコ・サンディの家にステイすることとなった。
誰?マルコ・サンディ?
ボリビアの1部サッカーリーグの優勝候補チーム”ボリバル”の現役キャプテンなのだ!ナショナルチームの代表選手にもなった事があるタフネスナイスガイなのだ。
日本で言えば横浜F・マリノスのキャプテン家にホームステイしたようなものだ。
今日はせぎっちの友人”としさん”が車を駆ってアンデスの山に連れてってくれるのだ。
雲を被るラパスの街、雲の上の町エル・アルトから撮影。
いつも笑顔の”としさん”。ラパス在住30数年の不思議な人だ。
標高3,650mのラパスの町から4,082mのエル・アルトの町を通り過ぎ、アンデスの山に向う。
リャマの耳には持ち主を示す印のリボンが付けられている。リャマのお洒落ではないのだ。
4,800mのソンゴ、5,400mのチャカルタヤ。先ずはソンゴへ。
ウッ!”寒い”!
ソンゴから見るアンデスの山々。山頂から尾根伝いに万年雪が望める。
それにしても、ここの天気は女心以上だ。直ぐ変わる。
霧・雹・雨・いきなりの晴天
空気は薄い。だが、この清涼感は何だろう。”清々しい!”
贅沢なコンサート
何とせぎっちが僕だけの為に、ミュージシャン”瀬木貴将”となって演奏してくれた。
つかの間の晴れ上がった空の下、サンポーニャの音色は僕だけでなく、天の神に届いたはずだ。
久しぶりの陶酔・・・
「気持ち良い!」
高地アンデス”贅沢なコンサート”まさに神に近づいたようだ。
途中、リャマが長閑に草を食む牧草地の高原を抜け、捨てられ忘れられた廃墟の町を抜け、いよいよ5,000mを目指す。
ラパスの街は、生憎の雨、と言うより雨季に来た我らが恨めしい!
~高地アンデスとアマゾンを行く~ Viva BOLIVIA 紀行 vol.3
vol.3 「夢のアマゾンへ~ピラニアを釣る~自然の偉大さ」
さて、南米のもうひとつの顔とも言えよう、アマゾン。
― ゆっくりと、ゆっくりと大河アマゾンは我々を迎えてくれた ―
夢のアマゾンへ
今から35年も前になる、小学校の卒業文集に「20年後の自分」というテーマで「僕は探検家となってアマゾン川でピラニアを釣って食べた」というような事を書いた事を思い出した。
プロペラ飛行機でラパスからアマゾンの港町トリニダへ
レンタバイクを借り,桟橋へ向かう。
船を1日貸切にする。依頼があってガソリンを積む。
水は必需品 船頭と不肖、大野
静かにたゆたうアマゾン河の水面、風に吹かれて木々が揺れるとつぅんと澄ました姿が歪んだ。
15年の差はあったが今、僕はアマゾンいる。
そして河でピラニアを釣った!
「オーパー」 せっぎちも「オーパー」。
因みに釣果は不肖、大野が3匹せっぎちが1匹しかし、大きさでは負けたのだ。
アマゾンの村を訪ねた。“トンデモナイ大群の蚊の歓迎を受けた。”
男たちは働きに出ているため、村には女・子供しかいない。
お土産にボールペンや石鹸を渡し、お礼にバナナを貰う。
3所帯くらいの小さな集落である。
着る物は普通である。住んでる場所はアマゾンでも、今時裸族なんかいるわけないか。
しかし、生活そのものは昔のままだ。
アマゾンクルーズと言っても、小さな木造船、穴も開いている。
手伝いの子供が一生懸命水を汲み出す。
減っては直ぐ元に戻る。空しき抵抗か?
村も訪ねた。淡水イルカも見ることが出来た。亀もいた。
何かわからないが動物の鳴き声も沢山聞いた。ピラニアも釣った。
突然のスコール、船を岸の近くに停泊させる。
30度の温度がいっきに下がる。体感温度は20度くらいか、寒い、身体が震える。
数メートル先が激しい雨で望めない。
上からと下からの浸水である。
船頭と手伝いの子供は死に物狂いで水を汲み出す。
空からアンデスの山々を望む
恐怖を感じた。
激しいスコールの中、イルカや水鳥や亀や植物の歓喜の声が聞こえる。
人間の小ささよ、自然の偉大さよ、「ままとなれ!」
トリニダの夜の町、店の灯りに身体も心も空も揺れる。これが町の色気さ。
今回の旅で5,300mのアンデスの山と海抜200mのアマゾン川の自然にチョッとだけ触れる事が出来た。何か分かったわけではない。
分かるわけがない。でもそれでいいと思う。分かる旅が面白い訳がない。
世界は分からないからこそ面白いのだ。「アディオス!」